子宮収縮という罠
お子さんと共に、海外に帰られた患者さま。
先日、その方のご主人さまとコンタクトをとる機会があり、 辿々しい日本語ながらも本当に嬉しいお言葉をいただけました。
”赤ちゃんできるためにいろいろすごいいっぱいたすけてやってくれたひとみさん、ありがとうございますほんとうに”
涙が止まらないわたし…
奥様は日本人、ご主人さまは外国人。
言葉の通じない国で治療をするのは、 並大抵ではなかっただろうし、辛く苦しく、長い時間だったと思います。
日常の違い(食文化や気候や環境)による体調変化もやはり辛かったこともあったと思います。それでもご主人さま、ご家族の皆さまがいたからこそ、乗り越えられたんだろうと思います。
不妊治療も同様に海外での治療は何より薬が多く、考え方も異なる。 毎回お義母さんと通院し通訳してもらいながらの診察、 それはもどかしかったことと思います。
なかなか授からない、数年経って決断された帰国。
日本での治療に切り替え戻ったものの、やはりうまくはいかない。
そのタイミングで患者さまとは、出会いました。
今でも覚えているのが、とにかく疲れていたこと。(ずっと今の方がお若く見えるくらい)
不妊治療の前に、まずは元の体調に戻すことから始めました。
患者さま自身、本当に何でも努力される方で、頑張り屋な姿に… 海外にいるご主人さまも心配だろうなぁと日々感じていました。
元々卵子がなかなか採れず、1個採って培養するのがやっとでした。 ご主人さまの精子はもちろん凍結なので、 顕微授精で行っていました。
はじめは育った胚盤胞もあまりグレードは良くなかったものの、 次第に上向きに変わっていきました。
それでも移植して、やっぱりダメ。
年齢も30代後半、ホルモン値も良好。
何回移植されたか忘れてしまいましたが、 かなりの回数されていました。
何か原因あるんじゃないか。
何となく聞いた質問が…
“移植した後って、お腹痛くないですか?”
“痛いんです。。”
以前にも同じ方が3人程いらっしゃったので、 まさかそうだとその時点で確信を持てなかったですが…
子宮収縮の検査はかなり厳しいものでした。
上下にも、左右にも収縮により揺れている子宮に移植して、うまくいくかは可能性が低いです。
子宮収縮に関しては、移植後にお薬を飲むという方法で防ぐことが可能です。
薬を飲んで挑んだ移植…見事に陽性反応が出ました。
このお知らせに一番喜んだのは、遠くにいるご主人さまであり、 ご家族の皆さま。
本当にあの時の喜びは忘れられません。
妊娠前から出産予定日数日前まで、ご主人さまとはテレビ電話での会話のみでした。
1人目の妊娠で、ご主人さまが近くにいないのも辛いことが多々あったと思います。
そんな大変な状況下でのお子さんの誕生は、何事にも代えがたい奇跡だったなぁと今でも覚えています。
良好胚を何回移植してもうまくいかないのは、やはり何か原因があるのかもしれません。
時間との勝負でもある不妊治療。
今までの状況を分析して、より良い方向に行かせるために何か希望が見出せたらと思っています。
本当に本当に困っている方、ご相談ください。
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