着床前検査の落とし穴
着床前検査も少しづつですが、結果が出てきつつあります。
以前こちらでも書いた43歳の方ですが、1回目の検査で正常胚が出ました。
2回流産しているので、結果は結果として受け止めるけど何とも信じきれないところがあるものです。
とはいえ1回目で正常胚が出るなんて、今まで2度ほどしか経験ありません。本当にうまくいくのかと私が思うのもおかしな話ですが、戻して結果が出るまで分からないと気持ちを抑えています。
私が今診ている方々の内訳(着床前検査を受ける方)
K:1人
S:2人
Y:3人
T:8人
H:1人
O:1人
Yクリニックで今回正常胚が出たので、他2人も続いてほしいところです。
Tはなかなか人数多めですが、正常胚があるけど採卵している方もいるし、モザイク胚ばかりの方もいるし、異常胚で苦しんでいる方も多いです。
やればやるほど沼に嵌っていくような検査ですが、ご夫婦の考え方や捉え方にもよるのでしょう。
並走の難しさや否や…
コロナ禍も手伝ってか、いろんないざこざにより不妊治療ではない方もいたり。
治療がうまく進まず喧嘩が続いたり、言い合いになったり。
ただでさえしんどい治療が、さらに苦しさを増しているのも事実です。
その中でもこの検査は、いろんな誤解や疑問を招くことが多いです。
せっかく胚盤胞になったのに、検査をしたらエラーが見つかる。今まで複数か所エラーだったのが今回一か所だったので、なんとも惜しい。この状況、された方はお分かりかと思います。
複数か1個かというより、エラーがある時点でそれは破棄になる。
分かっていても切ないものですが、これに対してあるご主人さまは、こう仰いました。
”戻せばうまくいくかもしれないじゃないですか、せっかく胚盤胞になったのになぜ破棄するのか。もう検査なんかやめて普通に戻そうと思うんです。”
振り出しに戻る感じですが、そもそもエラーのあるものを戻してもうまくいかない。だから調べようという話のスタートでしたが、結果が破棄になると話が戻ることがあります。検査をするまでは、胚盤胞になったら質がいいとか、問題ないと思っていました。それに、グレードが良ければ尚の事戻さないなんて話は考えられない。
最初は検査結果に応じて戻せばいいと思っていたのに、だんだん破棄することへの怖さが増してくるのか、結果云々よりも戻した方がいいと思ってしまう。
移植できない方の不安が勝ってしまい、最終的に検査をやめて移植する方を選択される方もいらっしゃいます。
流産が続いている方は、この検査を受けることの意義をよくよく理解し、もう辛い思いをしたくないから正常胚しか戻さない。その思いは一貫しているかと見受けられます。
ただ何となくやってみた方がぶつかるところなのか、そういう方だと破棄される卵の印象が強く、戻してあげないとかわいそうだと思ってしまう。
正解はないけど、この検査の意義が伝わりづらい。だから誰でもすべきかと言われると、やはり違うようにも感じます。
ただ海外だと、プランに組み込まれているのでそこに疑問が沸かないのかもしれません。
難しい問題ですが、しんどくとも前に進めるならそれでいい。でも、壁にぶつかるようならそれが正しくても進むべきなのかは、未だに分からないものです。
どちらも考えた上で、辛くても耐えられる方を選択できるよう、カウンセリングできたらと思っています。