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卵子提供での出産 ”卵子提供”
専門的知識がある訳ではないので、相談は専ら話し相手程度で聞いています。いいとも悪いとも、立場上言えるものでもないし、難しい問題なので、大切に扱わなければいけないですからね。今までお会いしてきたケースでは…・家系の都合で子どもを持たなければいけない・不妊治療の末、授からなかった・高齢(51歳)だけど妊娠したいどれも悩む時間は長く、何度も何度も考えた末にその決断に至りました。今週は、なかなか不妊治療で授からない患者さまが今年か来年トライすると 仰っていて、その相談を受けていました。 悩みとしては…・費用の問題・ご両親と同居中、不在時(海外渡航時)の説明・日本人ドナーへのこだわり(もちろん、カウンセラーさんとも何度か話をしているので答えが出ていない訳 ではないですが…) 誰にも話せない辛さは分からなくもないので、同じく卵子提供を受けた方のお話を交えつつ、 これからの生活についてもお話しながら考えていきました。 今回の患者さまは、・費用の捻出はなんとかクリアできそう。→自宅を売却し捻出、これに関してはとりあえず解決。・ご両親に不妊治療の話はあまりしたくない(以前家族内で意見がぶつかった為)。卵子提供の話を、高齢のご両親に説明が難しい。海外渡航の為、数日不在の日をご両親になんと説明するか。→できれば二人で話を進めたい、説明してもなかなか理解が難しいだろうから今は言うつもりがない。とはいえいつか言わなければいけない日が来るかもしれないから、それはそれで検討していかないといけないのかもしれない。 ・アジア人で検討していたものの、やはり日本人のドナーにこだわりたい。→選択できるのなら、やはり日本人がいい、せめてそこだけはこだわりたい。そんな感じで、少し頭の中は整理できたようでした。一つ一つ、何度も悩んで考える時間がご夫婦には必要なので、これからも見守っていければと思っています。___________________日本の卵子提供は、姉妹などの近親者でわずかに行われています。アメリカではもう30年以上前から卵子提供は不妊治療の一環として成り立っています。体外受精で授からなければ、卵子提供。そういう流れがアメリカにはできています。アメリカでの卵子提供での出産率は高いもので、それこそ費用はかなりのものでした。(諸々合わせて、700~800万円ほど支払ったと仰っていました。)渡航費や現地宿泊費が含まれているエージェントや、単純に治療費のみのエージェントもあり、法で整備されている・不妊治療の一つとして卵子提供が成り立っているアメリカは、すべてが合理的でした。アメリカらしいと言えば、アメリカらしいですね。そして何と言ってもアメリカの着床前診断(CCS)は、恐ろしい程遺伝子情報が明確に分かるところは、日本の着床前スクリーニング検査とは比較にならないものであることも、何もかも驚きでした。(妊娠率90%というドクターの答えに、患者さまもですが私も驚きでした…)ちなみに。年間300~400人は卵子提供で生まれているそうです。数にしてみると多いように感じます。そして、平均出産年齢は45歳とのこと。____________________患者さまは皆、失ったものもあるし、諦めたものもあると仰っていました。それも聞いていて今、でも幸せではあると言ってくれてよかったんだと思います。ただ、何が正しかったのかは分からないし、それは誰にも分からないことだけど。これで良かったのか、他に選択肢はなかったのかなとか頭をよぎることがあります。患者さまご家族の笑顔の写真だけが真実だと思って、永続的に幸せであることを願いたいです。余談ですが…日本では不育症治療で聞く、「ヘパリン注射」これはアメリカにはない概念だそうで、打っていいかの判断がなかなか下りませんでした。そしてヘパリンをアメリカに持ち込むのも大変でした…。そういう異なる点はあるようです。